バックギャモンのお勉強 キューブ
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3ロール3ロールをテイクしよう

4ロール4ロールをパスしようの中でスコア別の4ロールポジションのキューブアクションについてまとめてあるので7ポイントマッチ以内の3ロールポジションについても一覧できるようにしました。

ここでの3ロールポジションとはお互いが1ポイントに6枚積んだ形です。勝率は78.8%あります。テイク側がゾロ目を振って逆転して自分の手番が回ってきたときはもう勝率100%ですし、2away側からのダブルをテイクしたらオートリダブルですのでリダブルパワーは全くありません。従ってそれぞれのスコアでのテイクポイントより21.2%が上回っていればテイクできます。

DT=(リ)ダブルテイク
DP=(リ)ダブルパス
ND=ノー(リ)ダブルテイク

693.png

テイクできるスコアが4通りあります。ダブルテイクの3つはデッドキューブでのテイクポイントが21.2%を下回っているし、ノーダブルの1つはオートリダブルになった場合のテイクポイントがやはりそれを下回っています。ただ、ダブルポイント自体は少し超えているので覚えてしまった方が簡単かもしれません。ここでダブルするより2ロールポジションにしてからパスさせるゲインの方が大きいのでしょうか。

b5-w3/7
694.png
青からのキューブ

Cubeful equities:
1. No double +0.769
2. Double, pass +1.000 (+0.231)
3. Double, take +0.753 (-0.016)
Proper cube action: No double, take (6.3%)

続いて2から4へのリダブルです。

695.png

ここのノーダブルのうち3away-5awayと4away-7awayはダブルポイントを超えていながらノーリダブルです。上記と同じパターンでしょうか。

b4-w2/7
696.png
青からのキューブ

Cubeful equities:
1. No double +0.769
2. Double, pass +1.000 (+0.231)
3. Double, take +0.684 (-0.084)
Proper cube action: No redouble, take (26.7%)

最後に4から8へのリダブルです。

697.png

ここでは5away-6awayがダブルポイントを超えていてもノーダブルです。

4ロールポジションと違ってデッドキューブ、あるいはオートリダブルを前提としたテイクポイントさえわかればそれに従うことでテイクパスは間違えることはありません。ダブルポイントを超えていてノーダブルのスコアもありますがあまりにも少ないので覚えてしまうといいことがあるかもしれません。

4ロール4ロールをパスしよう

お互いの1ポイントに8枚積んだ形、いわゆる4ロールポジションの勝率は約74.5%ですのでアンリミテッドならテイクです。しかし、ポイントマッチはスコア状況によってテイクポイントがまちまちで更に2away側からのキューブをテイクしない限りリダブルを効果的に使えないためテイクポイントが高くなりこれをパスしないといけない状況が多々あります。

そこで、7ポイントマッチ以内のすべてのスコアとキューブ状況においてキューブアクションがどうなるか一覧にしてみました。

DT=ダブルテイク
DP=ダブルパス
ND=ノーダブルテイク

615.png

3awayや4awayからのキューブの多くがパスになります。3ポイントマッチならオープニングスコアでパスですし、下のスコアでは4ロールポジションだからと安易にテイクするととんでもないエラーになっています。

b4-w3/7
616.png
青からのキューブ

Cubeful equities:
1. Double, pass +1.000
2. Double, take +1.398 ( +0.398)
3. No double +0.761 ( -0.239)
Proper cube action: Double, pass

続いて2から4へのリダブルです。

617.png

6awayや7awayからのリダブルテイクはほぼテイクパスボーダーですので、そうなると負けている側からのリダブルはほぼパスになります。そして、スコアリード側からのリダブルはあまり打てません。

最後に4から8へのリダブルです。

618.png

実にシンプルです。同点ならリダブルテイク、負けている側からはリダブルパス、勝っていたら打てない。

ポイントマッチをやるにあたって、4ロールポジションはいつでもテイクできるわけではないと知っておくと何かいいことがあるかもしれません。

オーバー・ザ・バーポイント

パターン1
unlimited
506.png
pips b=108 w=71 白からのキューブ

こちらがバーとミッドポイントを押さえており相手の1枚のラストチェッカーに逃げられてしまえば負け確定、ヒットできれば逆転という図のような局面の相手のキューブはどこまでテイクできるのか。ラストチェッカーの位置やインナーボードの強さを変えて調べてみました。
例えば上のポジションですと18ポイントにあるチェッカーが15ポイントまで来てもテイクになり、14ポイントになるとパスになります。

ラストチェッカー15ポイント
3-ply cubeless equity +0.533
0.759 0.025 0.000 - 0.241 0.009 0.000
Cubeful equities:
1. Double, take +0.891
2. Double, pass +1.000 ( +0.109)
3. No double +0.480 ( -0.412)
Proper cube action: Double, take

ラストチェッカー14ポイント
3-ply cubeless equity +0.666
0.823 0.026 0.000 - 0.177 0.007 0.000
Cubeful equities:
1. Double, pass +1.000
2. Double, take +1.202 ( +0.202)
3. No double +0.615 ( -0.385)
Proper cube action: Double, pass

ではこちらのボードの強さだけを変えていくと何ポイント以上がテイクになるのか見ていきます。スペアマンはインナーに形よく置くこととし、プライムの長さとインナーボードの強さでテイクになる境界のポイントを一覧にしました。

テイクできるポイントの境界
508.png

例えば4プラ3ボードとはこんな形です。
505.png
そして、16ポイント以上でテイクとなます。境界より遅れているとテイク、進んでいるとすべてパスです。

15ポイントや16ポイントにあるチェッカーはいかにヒットしやすいのか、その確率を見てみます。
510.png
ショットを当てる確率とはバーポイントを飛び越えられなかった場合に限ったヒットできる確率です。相手はベストムーブで逃げたとして計算しています。そして、そもそも白がロールする前で青がヒットできる確率がどれくらいあるのか計算した結果が一番右の数字です。
15ポイントのチェッカーはこの後26%もの確率でヒットできますから、ヒットできればほぼ勝ちという局面ならイージーテイクなのも納得です。

パターン2
相手のポジションを変えてみます。これなら相手のラストチェッカーがフォーストムーブですので少しこちらのショット数も増えますし、何よりルースヒットが怖くありません。
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503.png
pips b=108 w=32 白からのキューブ

テイクできるポイントの境界
504.png

パターン3
だんだん実戦に出てきそうな形になってきました。相手に着地地点が増えましたがこちらもレースで勝つ望みがあります。
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513.png
pips b=108 w=85 白からのキューブ

テイクできるポイントの境界
515.png
4プラ4ボードで16ポイントにあればテイクできるそうで、念のため解析結果を見ておきます。
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514.png
pips b=113 w=83

3-ply cubeless equity +0.514
0.751 0.025 0.000 - 0.249 0.012 0.000
Cubeful equities:
1. Double, take +0.830
2. Double, pass +1.000 ( +0.170)
3. No double +0.546 ( -0.283)
Proper cube action: Double, take

3つのパターンしか見ていませんが、ラストチェッカーが16ポイントに残っている状態がいかにテイクしやすいかが分かり、ポジションが変わっても応用が利きそうです。逆に14ポイントまで行くと今回テイクできるポジションがありませんでした。

キューブを打たれたときテイクできる理由をいろいろ考えるのですが、そんなテイクする理由の一つに「ラストチェッカーが16ポイント」というのを付け加えてみてもいいかもしれません。

( 表の中のテイクパスは3plyアナライズで僅差のものだけロールアウトしています。)

ポストクロフォード完全マスター(本編)

前回の記事でポストクロフォードのテイクポイントを調べましたのでもう一度まとめておきます。Nは相手のギャモン率、そこにかけられているのが2倍キューブ時の相手のギャモンバリューです。

フリードロップのテイクポイント
2away P=50
4away P=33.89+1.05N
6away P=38.68+0.57N

奇数awayのテイクポイント
3away P=2.4+N
5away P=3.91+0.55N

では実際2awayならパスでもそれ以外の偶数awayではテイクになるレスポンスがどの程度あるのか調べてみました。解析は3plyアナライズですので大雑把な傾向だけでも確認できればいいのではないでしょうか。

表の見方
左はポストクロフォードでのトレーラーのオープニングムーブです。相手が最善手を指すとは限りませんので何パターンか用意しました。
上段がリーダー側のレスポンスの出目で真ん中にはその組み合わせのレスポンス後のキューブアクションを左から2away、4away、6awayの順に示しました。
Tはテイク、Pはパス、Bは期待値0.01以内に収まったボーダーラインです。

497.png

498.png

この色の網掛けをしている組み合わせが2awayならパスでも4以上、あるいは6awayでテイクに変わるレスポンスです。例えばオープニングで26、レスポンスで13なら相手2awayの時のみパス、あとはテイクという事です。レスポンスの13、56が変わりやすいのが分かります。

ではチェッカープレーに違いは出るのかというと、大いに出ます。同じフリードロップであっても2awayだけはテイクしてしまえばギャモン負けのリスクが全くありません。DMPなのですから勝率が最も高いプレーをすればいいだけです。しかし、それ以上のaway数ですとギャモン負けを回避することも必要になってきます。レスポンスの時点でこの違いが顕著に出るのがこの色の網掛けをしているゾロ目です。

例えば2away側12から2ゾロを振ると
b6-w5/7
499.png
pips b=167 w=164

1. Cubeful 3-ply 13/11(2) 6/4(2)      Eq.: -0.793
0.552 0.170 0.008 - 0.448 0.123 0.006
2. Cubeful 3-ply 24/20(2)                 Eq.: -0.846 ( -0.053)
0.539 0.127 0.005 - 0.461 0.083 0.002
3. Cubeful 3-ply 24/22(2) 6/4(2)      Eq.: -0.847 ( -0.054)
0.538 0.150 0.006 - 0.462 0.104 0.003
4. Cubeful 3-ply 24/22 13/11 6/4(2) Eq.: -0.874 ( -0.080)
0.532 0.159 0.008 - 0.468 0.128 0.005

13/11(2) 6/4(2)が勝率が最も高いため最善手です。相手が2away時の2ゾロはこれが最善になることがほとんどです。しかし、ゾロ目はアンカーを前進させることができる目でもあります。勝率もそれほど落とさないため3away以上ではギャモンセーブに走ります。例えば相手が4wayなら

1. Cubeful 3-ply 24/20(2)             Eq.: -0.655
0.539 0.129 0.005 - 0.461 0.082 0.002
2. Cubeful 3-ply 24/22(2) 6/4(2)  Eq.: -0.726 ( -0.071)
0.538 0.152 0.007 - 0.462 0.103 0.003
3. Cubeful 3-ply 13/11(2) 6/4(2)  Eq.: -0.746 ( -0.092)
0.553 0.171 0.008 - 0.447 0.124 0.006

先ほどのムーブが大きなエラーとなってしまいます。

この色の網掛けが2箇所ありますがこの出目でアウターヒットが勝率最大になる珍しいパターンです。
3ゾロの方だけ見てみます。
b6-w5/7
500.png
pips b=167 w=160

1. Cubeful 3-ply 24/15* 24/21        Eq.: -0.770
0.558 0.161 0.013 - 0.442 0.126 0.006
2. Cubeful 3-ply 24/15* 13/10        Eq.: -0.784 ( -0.015)
0.554 0.172 0.013 - 0.446 0.130 0.007
3. Cubeful 3-ply 24/21(2) 6/3(2)     Eq.: -0.787 ( -0.017)
0.553 0.155 0.008 - 0.447 0.098 0.003
4. Cubeful 3-ply 24/21(2) 8/5(2)     Eq.: -0.788 ( -0.019)
0.553 0.170 0.009 - 0.447 0.100 0.003
5. Cubeful 2-ply 24/21(2) 13/10(2) Eq.: -0.798 ( -0.029)
0.550 0.151 0.006 - 0.450 0.095 0.003

通常のスコアにてチェッカープレーを選ぶ場合は勝率が高い、ギャモン勝ちを増やす、ギャモン負けを減らすの3要素から最善手が決まるとするとポストクロフォードのリーダー側はこのうちギャモン勝ちを増やすという要素は全くいらないため、いつものいい手が全く価値のない手になってしまうこともあります。
例えば34ダウンからの4ゾロ
b6-w3/7
501.png
pips b=167 w=160

1. Cubeful 3-ply 24/20(2) 13/9(2) Eq.: -0.476
0.590 0.167 0.008 - 0.410 0.075 0.002
2. Cubeful 3-ply 24/16*(2)            Eq.: -0.515 ( -0.039)
0.603 0.154 0.010 - 0.397 0.098 0.003
3. Cubeful 3-ply 24/16* 13/9(2)    Eq.: -0.573 ( -0.097)
0.593 0.196 0.017 - 0.407 0.108 0.005

ヒットして9ポイントメイクはDMPでなくとも最善手に近い手で、いい手に違いないと無意識にプレーするかもしれませんが、このスコア状況では大きなエラーとなります。通常ならなぜこの手がいい手なのか、それはヒットして勝率を上げ、ビルダーを下してギャモン勝ちを増やしているため少々のギャモン負けはペイするからです。しかし、この状況ではそのうちギャモン勝ちを増やすことに意味がなくなり、ギャモン負けを増やす部分だけがリスクとして覆いかぶさってくるわけです。

さて、テイクすると決まったあとはレスポンスに限らずその後のプレーも全く同じ考え方でプレーしていきます。いったいどの程度ギャモン負けを怖がればいいのか、やはりギャモンバリューが関係してきます。
ギャモンバリューをV、相手のギャモン率をNとするとリーダー側はギャモン率をN%以上減らせるなら勝率をV×N%減らしてもいいことになります。そして、これは今まで見てきたレスポンスムーブの選択にも同じことが当てはまるのです。

ポジションを1つ見てみます
b6-w3/7
502.png
pips b=148 w=135

1. Cubeful 3-ply 24/23 9/4 Eq.: -0.690
0.270 0.048 0.001 - 0.730 0.110 0.003
2. Cubeful 3-ply 9/4 5/4     Eq.: -0.727 ( -0.037)
0.306 0.059 0.001 - 0.694 0.161 0.005

このページの一番上を見ればギャモンバリューが分かります。4awayの相手のギャモンバリューは1.05です。という事は勝率を減らす以上にギャモン負けを減らせればそちらがベストムーブとなります。この例では勝率を3.6%減らしていますが、それ以上にギャモン負けを減らしているのでそちらがベストとなります。トレーラー側も同じ考え方です。ギャモン勝ちをN%以上増やせるなら勝率をV×N%減らしてもそちらがベストになります。

おまけでオープニングについて2つ
・2awayポストクロフォードのリーダー側がオープニングを取ったら何をパスするのか。解析ソフトや解析の深さで微妙に変わるので明言は避けておきますがベストムーブならGNU Backgammon 2plyロールアウト360回で0.01を超えるパスは14と34のみでした。
・相手にフリードロップの権利がある場合のトレーラー側はオープニングでスロットするとエラーが大きくなります。ヒットされるなどのいいレスポンスをされた時しかテイクしてもらえず、あとはパスで逃げられるためスロットしたポイントをメイクできることがないからです。
例えば12
b5-w6/7
496.png
pips b=167 w=167

1. Cubeful 3-ply 24/23 13/11 Eq.: +0.939
0.500 0.136 0.005 - 0.500 0.132 0.005
2. Cubeful 3-ply 24/21           Eq.: +0.929 ( -0.010)
0.493 0.124 0.005 - 0.507 0.127 0.004
3. Cubeful 3-ply 24/23 24/22 Eq.: +0.921 ( -0.019)
0.487 0.122 0.005 - 0.513 0.132 0.004
4. Cubeful 3-ply 13/10           Eq.: +0.916 ( -0.024)
0.490 0.140 0.006 - 0.510 0.140 0.007
5. Cubeful 3-ply 13/11 6/5     Eq.: +0.905 ( -0.034)
0.501 0.143 0.006 - 0.499 0.144 0.009

通常はいい手になるスロットがここではランクを下げます。

長くなったのでまとめておきます。
・ポストクロフォードにおいてフリードロップの権利を得たら相手が2awayなら50%、それ以外のスコアではそれぞれのテイクポイントを超えていればテイクする。(このページの先頭参照)
・テイクするのであればレスポンスムーブからゲーム終了まで次の法則でプレーする。Vは2倍キューブ時の相手のギャモンバリュー。(このページの先頭参照)
リーダー側
 ギャモン負けをN%以上減らし勝率をV×N%減らすプレーがあればそれを選ぶ
トレイラー側 
 ギャモン勝ちをN%以上増やし勝率をV×N%減らすプレーがあればそれを選ぶ

ポストクロフォード完全マスター(序章)

ポストクロフォードにおいて負けている側はたいていすぐにキューブを打ってきますが、打たれた側は相手が偶数awayならフリードロップが使えます。不利ならパスして次のゲームへ移った方が得だからです。しかし、本当にテイクポイントが50%なのは2awayの時だけで、それ以外の偶数awayにおいてはもっと低く、相手にギャモン勝ちがあるため50%近くになっているだけです。

例えば4awayの相手がキューブを打ち忘れていてここで打ってきたとします。
b6-w3/7
490.png
白からのキューブ

3-ply cubeless equity +0.278 (Money: +0.278)
0.639 0.000 0.000 - 0.361 0.000 0.000
Cubeful equities:
1. Double, take +0.933
2. Double, pass +1.000 ( +0.067)
3. No double +0.278 ( -0.655)
Proper cube action: Double, take

フリードロップだから不利ならパスなんてとんでもない、勝率36%しかないのにテイクできます。次のフリードロップの権利があるからなんて微々たる理由で、それだけでこんなにテイクポイントは下がりません。理由はマッチ勝率表にあります。バックギャモンは初期配置の時点で14.5%ほどのギャモン率があり、それをもとにマッチ勝率表が作られています。ここでポストクロフォードのマッチ勝率表を見てみます。すべて負けている側のaway数とマッチ勝率です。

491.png

2awayと1away、つまりはDMPとの差1.2%がフリードロップの恩恵です。では4awayの相手のマッチ勝率を見てみます。31%となっていますが、シングル勝ちしかないのであれば2連勝必要なわけで25%しかないはずです。しかし、ギャモン勝ちをしてしまえば1ゲームでこのマッチに勝つことができるためこれだけマッチ勝率が高くなります。パスしても32.3%も勝率がありますからギャモン勝ちがないのなら勝率50%でテイクするとマッチ勝率を7%も得をします。すぐにテイクポイントがもっと低いことが予想できます。

では正確なテイクポイントを計算してみます。4awayからのキューブをパスするとリーダー側のマッチ勝率は67.7%、テイクして勝つと100%負けると51.2%ですのでゲインが32.3、リスクが16.5となり16.5/(32.3+16.5)≒33.8でテイクポイントは約33.8%となります。上のポジションで36%しかないのにテイクできたのはこういうわけです。

しかし、現実には開始直後にキューブを打ってくるのでギャモン勝ちがあります。このギャモン率にその時のギャモンバリューをかけたものを先ほどのテイクポイントに足したものがギャモンを考慮したテイクポイントになります。4away側の2倍キューブ時のギャモンバリューはシングル勝ちで48.8%、ギャモン勝ちで100%ですから51.2/48.8≒1.05で約1です。

手順は分かりましたので、正確な数字を例によってGNU Backgammonを使って書き出しておきます。相手のギャモン率をNとしたときのテイクポイント(=P)は以下の通りです。実際はバックギャモン勝ちの分少し増えます。

フリードロップのテイクポイント
2away P=50
4away P=33.89+1.05N
6away P=38.68+0.57N

2away以外、50%という数字はどこにもありません。Nに初期配置のギャモン率を入れると確かに50%近くにはなりますがその内訳は大きく違うわけです。ですから出目によっては2awayでパスでもそれ以外の偶数awayではテイクできるレスポンスがあります。
例えばこれはトレーラー側が先手で56、リーダー側が24を振ったあとのキューブアクションです。

b6-w3/7
492.png
pips b=161 w=156 白からのキューブ

3-ply cubeless equity +0.172 (Money: +0.035)
0.522 0.124 0.004 - 0.478 0.134 0.004
Cubeful equities:
1. Double, take +0.975
2. Double, pass +1.000 ( +0.025)
3. No double +0.891 ( -0.084)
Proper cube action: Double, take

勝率は50%を大きく割っていますので2awayならビッグパスですが、同じくフリードロップの使えるこのスコアでテイクになっています。56というギャモン率の低い出目もあって上記のテイクポイントをきっちり超えています。

ではなんでもテイクしていいはずの奇数awayのテイクポイントも書き出しておきます。Nは相手のギャモン率です。

奇数awayのテイクポイント
3away P=2.4+N
5away P=3.91+0.55N

3手目でこれがパスになることはないですがこのスコアで相手がキューブを遅らせてくることはたまにあります。自分が仕掛けない場合でもこの知識を知っていて損はありません。
例えば下の二つのポジション、いずれも3awayですが

b6-w4/7
 494.png
pips b=108 w=69 白からのキューブ

3-ply cubeless equity +0.772 (Money: +0.895)
0.879 0.135 0.004 - 0.121 0.002 0.000
Cubeful equities:
1. Double, pass +1.000
2. Double, take +1.077 ( +0.077)
3. No double +0.955 ( -0.045)
Proper cube action: Double, pass

b6-w4/7
495.png
白からのキューブ

3-ply cubeless equity +0.889 (Money: +0.889)
0.944 0.000 0.000 - 0.056 0.000 0.000
Cubeful equities:
1. Double, take +0.935
2. Double, pass +1.000 ( +0.065)
3. No double +0.889 ( -0.046)
Proper cube action: Double, take

上がパスで下がテイクになります。下のパターンは経験ないですが、上のようなギャモン率を考慮しなければならないパターンは仕掛けてくる人はいますからギャモン率込みのテイクポイントも役に立つ日があるかもしれません。
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Author:kazu(keeae)
ネットでバックギャモンをプレーしてGNU Backgammonにて解析しています。

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